現実感の喪失

新聞やニュースを定期的に見ないので、どうも外界の情報の入手が遅れていたのだが。

JRの脱線事故は大変に痛ましいものだった。改めて犠牲になられた107名の方々の冥福を祈りたい。
さて、今回の事故で再認識したが、我々は日ごろ生活している環境の中で、実は案外頻繁に命を落とす危険のある場面に遭遇しているのだ。毎日大学へ通いながらよくこう考える。駅のホームってのは、死を身近に感じる場所だ。なんら障壁のないすぐそこを、時速100キロ近い電車が駆け抜けていく。建物の屋上には柵があるのに、駅のホームにはない。当たり前のようだが、よく考えると不思議、というかとても異常なことだ。どちらも「その向こう」には死が潜んでいるというのに。
電車という技術のもたらす恩恵は、人間などあっさりと壊してしまう凶暴なエネルギーの裏返しなのだ。科学を扱うことの意味を、もう一度みんなが見直すべきではないかと思う。